もうひとりのボクの存在
TVに映し出された
見覚えのある景色を見ながら
ふと思い出しました
仕事に遊びに
がむしゃらだったっけ
飲んで笑って
はしゃいでいたっけ
恋して恋して
胸焦がしていたっけ
幸せすぎて
有頂天になっていたっけ
今のボクが存在する意味が
またわからなくなりました



TVに映し出された
見覚えのある景色を見ながら
ふと思い出しました
仕事に遊びに
がむしゃらだったっけ
飲んで笑って
はしゃいでいたっけ
恋して恋して
胸焦がしていたっけ
幸せすぎて
有頂天になっていたっけ
今のボクが存在する意味が
またわからなくなりました
未来へ運んでくれるという宇宙船は
待てども待てども
姿を現してはくれませんでした
そろそろ限界が近づいてきました
この電車に乗り遅れたら
二度と明日が見れない気がします
誰か背中を押していただけませんか
勇気や根性などは元々ありませんが
はるか遠くのかすかな光を信じて
闇夜から抜け出したいと思います
しらけた街は
微笑みさえ忘れ
虚ろ気な眼差しに
映るモノトーンの風景
刹那に過ぎる風
空虚に響く足音
悪意ある静寂
失望のささやき
頬をつたう雨に
みんな流されりゃいい
バス停のすぐそばの小川を
流れに逆らって必死で泳ぐ
魚たちを見ていました
体力をすり減らしながら
ひたすら前をめざす魚たち
流れに身をまかせて行けば
どんなに楽なのになあって
教えてあげたくなりました
循環バスにゆられながら
あてもなく窓の外を見ていました
ボクだけ進む方向が違うと思いました
引き出しの中
溜まっていく
暑中見舞いはがき
今年も出し損ねた
懐かしさと
会いたさが
こみ上げる
7月の空
悲しいなんて
とても書けないし
寂しいなんて
絶対に言えない
去りゆく夏の空に
殴り書いた
寂しいよ
会いたいよ