雨の日は絶好の散歩日和
朝からざあざあ
雨が降っている
猫の子一匹いない
公園横切って
心も足も軽やかに
今日はどこに行こうかな
このまま存在消したいな



朝からざあざあ
雨が降っている
猫の子一匹いない
公園横切って
心も足も軽やかに
今日はどこに行こうかな
このまま存在消したいな
窒息しそうなほど
人で溢れ返っていた街から
人が消え
陰悪な空気が
街中を覆っていた
緊急事態宣言が
発令されても
僕の日常は変わらない
いらっしゃい
みんな
ずっと頑張ってきたんだから
しばらく
家でのんびりしようよ
何よりも大切な
命のために
公園の茂みで
冷たい雨に打たれ
体震わせながら
泣いてた子猫
おぼつかない足取り
そして僕の膝の上
バニラと名付けて
共に過ごした3日間
ぬくもり残したまま
静かに毛布の中
わずかな命の火灯して
旅立った白い天使
ひょんな場所で
近所の人と
ばったり会った
あいさつぐらいはと
声を絞り出すも
言葉が出てこない
そう言えば長いこと
喋ってなかったな
自分の声に驚く
気まぐれな夏の空
囃し立てるように蝉の声
救急車のサイレンの音が
心のふちに突き刺さる
突然降り出した雨は
一瞬のうちに
褪せた町
飲み込んでいく
雨に擬態した僕の
目に飛び込んできたのは
ピュアシルバーの
美しい町と
雨向こうにかかる
パステルカラーの虹
初めてこの町を
好きと思えたこの瞬間
いつまでも大切に
胸の中 しまっておこう
雨上がりの町
ビルも
信号も
街路樹も
人間も
ピカピカに光ってた
ゆく夏を惜しむかのように
蝉がまた騒ぎ出した
朝がきて
ほっとため息
生きてる
なんも期待してないけど
今日が始まる
次の朝がきて
また次の朝がきて
なんも変わらないけど
生きるしかないじゃん
僕らの住んでるこの世界
いろいろざわついてるけど
生きてくしかないじゃん
どこからか聞こえてくる
やさしいメロディー
みんなのとこにも
届けばいいのにな